最近取引数が急激に拡大しつつあるNFT作品。
小学生が作ったNFTアートが高く売れたり、芸能人がNFTアートを使ったチャリティプロジェクトで多数の参加者を集めたりと大きな話題にもなっています。
そんなあなたも「NFTを私も始めたい」「NFTアートの購入方法や売り方を知りたい」と思っているかと思います。
この記事でNFTの始め方や購入方法・販売方法、必要な初期費用などについて解説します。
ぜひ参考にしていただき、NFTで素晴らしい作品を購入したり、優れた自作のアートなどを販売したりしてみてください。
NFTとは|唯一性が担保されたデジタルアート
まずは、NFTとはどういうものかからの解説です。
NFTとは、主にイーサリアム(ETH)のブロックチェーン上で構築される非代替性トークンのことです。
NFTを正式名称にすると「Non Fungible Token」。「Fungible」の意味を辞書で調べると、「代替可能な」「交換可能な」ということですから、全体で「非代替性トークン」という意味になります。
非代替性トークンとは何かというと、暗号資産のブロックチェーン上で発行される代替ができないデジタルデータ(アート)のこと。
つまり、ブロックチェーン技術を用いることで、それぞれのデジタルアートが個別に識別できるようになり、同じものが他になく、世界に1つだけのアイテムとして、唯一性が担保されています。
ここがNFTアートの最大の眼目で、自分だけのオリジナルな価値を持つ作品として通用することになるわけです。
NFTを始める上で必要になる初期費用
NFTを始める際に発生する費用の内訳を見てみましょう。
大きく分けると、NFTを始める上で必要になる費用は「送金手数料」と「ガス代」です。
- 送金手数料
- ガス代
①:送金手数料
送金手数料は「1回あたり○○ETH」のように暗号資産の単位を基に決められているのが普通です。
ETHの場合はイーサリアムのことですから、イーサリアムの価格に応じて送金手数料も変動します。
ETH(イーサリアム)に限らず、暗号資産の価格は常に変動します。そのため、送金手数料もそれに呼応するように変動します。
なお、仮想通貨取引所によって送金手数料は異なります。
②:ガス代
簡単に言うと「ガス代」とは、イーサリアムのネットワーク利用料のこと。
暗号資産のブロックチェーンネットワークを使ってNFTアートのやり取りをす上で手数料を支払う必要があります。それが「ガス代」です。
ガス代の価格も常に変動します。ガス代は取引混雑状況に左右されやすく、秒単位での変動があります。
以上のように、NFTの売買で発生する費用は変動するものなので、初期費用を一概にいくらと決めることはできません。示せるのは大まかな目安だけです。
そこでいよいよ本題ですが、ここではNFTマーケットプレイスの最大手である「OpenSea(オープンシー)」を利用した場合に初期費用がいくらくらいになるか、目安を提示したいと思います。
NFTを購入する場合の初期費用【Opensea編】
OpenSea(オープンシー)でNFTを購入する際に発生する初期費用の目安は以下の通りです。
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1~3までを合計すると、6,000円~9,000円になります。内訳を詳しく見てみましょう。
NFTを購入する際には、コインチェックなどの仮想通貨取引所からMetaMask(メタマスク)へNFTの購入代金である暗号資産を送る必要があります。
例えば、コインチェックからMetaMask(メタマスク)へ送金したとすると、イーサリアムの場合は0.005ETH掛かります。0.005ETHを円に換算すると、2,000円~3,000円です。
送金手数料は送金するごとに掛かり、何度も送ると高くつきますので、まとめて送るようにしましょう。
NFTを販売する場合の初期費用【Opensea編】
NFTを販売する場合の初期費用の目安をチェックしてみましょう。以下のような内訳になっています。
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NFTを販売するときにもMetaMask(メタマスク)への送金手数料が必要なのですが、その理由は後で支払うことになるガス代の準備のためです。送金手数料の金額は購入時と変わりません。
OpenSea(オープンシー)では、初回にNFT作品出品時にガス代が掛かり、その金額は10,000円~15,000円。ただ、初回だけに発生する費用であり、2回目以降は支払う必要はありません。
次に、買い手からの購入オファーを承諾する際にもガス代が発生。その金額は2,000円~3,000円です。
もう一点追加しておくと、OpenSea(オープンシー)でNFT作品を販売する際には、販売手数料として売却代金の2.5%の金額が取られます。販売手数料を支払わないと、取引が成り立ちませんから、残高不足にならないようにウォレットにしっかり入金しておきましょう。
全部合計したNFTの販売時に必要な初期費用は15,000円~20,000円+販売手数料となります。
NFTを始める前に準備しておくべきこと
NFTを始めようと思ったら、まず準備しておくことがあります。
その手順を解説するので、しっかり覚えてください。
NFTマーケットプレイスのアカウント登録をする
NFT作品の売買は、専門のマーケットプレイスで行います。
NFTマーケットプレイスとは、NFT作品を暗号資産で取引ができるプラットフォームです。
そこでアカウント登録をするのですが、登録にあたっては、イーサリアムなどの暗号資産と専用ウォレットの2つが必要になります。
メタマスクなどのウォレットの準備をする
次に暗号資産を保管するためのウォレットを作成しましょう。
ウォレット作成の方法はいくつかありますが、Google Chromeの拡張機能から利用ができるMetaMask(メタマスク)が一押しです。
利用方法は、Chromeウェブストアから「MetaMask」と検索して、表示されたものを「Chromeに追加」します。
あとは、「ウォレットの作成」を選択し、手続きに従えば、MetaMask(メタマスク)を利用できるようになります。
なお、カタカナでChromeウェブストアに「メタマスク」と入力しても結果は表示されませんから、検索時には英語で「MetaMask」と入力してください。
仮想通貨取引所で暗号資産を入手する
ウォレットが作成できたら、そこに保管する暗号資産を仮想通貨取引所で入手します。
日本円を入金して、仮想通貨を購入することになります。
OpenSea(オープンシー)をはじめ多くのNFTマーケットプレイスでは、イーサリアム(ETH)で取引をするので、用意しておいてください。
NFTの始め方・買い方【購入者】
NFTを始めるための準備ができたところで、今度は実際の取引の仕方を見てみましょう。まず買い方・購入方法です。
手順①:仮想通貨取引所に登録する
NFTを購入するために最初に行うことは、仮想通貨取引所に登録することです。
日本国内にはいろいろな仮想通貨取引所がありますが、初心者におすすめなのは「コインチェック」。
コインチェックは17種類もの暗号資産を取り扱っていて、独自のNFTプラットフォームも用意しているからです。
コインチェックの登録方法を簡単にまとめておきます。
- コインチェック公式サイトにアクセスする
- 「会員登録」ボタンをクリックする
- メールアドレスとパスワードを設定する
- メールアドレスに届いたURLをクリックする
- 会員用のページが開くので、「本人確認書類を提出する」をクリック
- 電話番号認証をする
- 本人確認書類をアップロードする
これで完了です。
なお、使用できる本人確認書類は以下のようなものです、
- 運転免許証
- パスポート
- 在留カード
- 特別永住者証明書
- 運転経歴証明書
- 住民基本台帳カード
- 個人番号カードなど
手順②:ETH(イーサリアム)を入手する
仮想通貨取引所への登録が済んだら、暗号資産を購入できるようになるので、ここではETH(イーサリアム)を入手します。
OpenSea(オープンシー)などのNFTプラットフォームではETH(イーサリアム)でNFTの売買を行うからです。
コインチェックの場合のETH(イーサリアム)入手方法を見ておきましょう。
Webブラウザとアプリの両方で入手ができますが、Webブラウザ版の利用の仕方を紹介します、
- サイトを開いたら、左側の「メニュー」から「日本円の入金」を選択する
- 画面下部から入金方法を選ぶ(銀行振込かコンビニ入金かクイック入金かのいずれか)
- 銀行振込の場合は、画面下部に表示される振込先情報を確認し、振り込む
- コンビニ入金やクイック入金の場合は、「お支払い情報を発行」をクリックし、コンビニやATM、インターネットバンキングなどから入金する
- ETH(イーサリアム)のロゴをクリックする
- 購入数量を入力し、日本円の支払金額を確認し、「購入する」をクリックする
これで完了です。ETH(イーサリアム)購入後はキャンセルができないので、数量などを間違わないように入力してください。
手順③:MetaMaskなどのウォレットに入金する
続いて、購入したETH(イーサリアム)をMetaMask(メタマスク)などのウォレットに入金します。次のような手順になります。
- 左側の「メニュー」から「コイン送金」を選ぶ
- 宛先や送金数を記入する
- 宛先は、MetaMask(メタマスク)にログインし、トップページ上のアカウント名をマウスオーバーする
- アドレスの横にあるコピーマークをクリック
- コインチェックの宛先欄にペーストする
- コインチェック画面で送金額を入金し、「送金する」ボタンを押す
これで、ETH(イーサリアム)がMetaMask(メタマスク)に入金されます。
手順④:NFTマーケットプレイスに登録する
NFTの取引はNFTマーケットプレイスで行いますから、登録をします。ここでは、OpenSea(オープンシー)の登録方法を見ておきましょう。
- OpenSea(オープンシー)のサイトにアクセスする
- 右上のアカウントマークから「My Account Settings」を選ぶ
- 「Sign In」をクリック
- 表示されたアカウント一覧から登録したアカウントを選択する
- 「○○○(アカウント名)に接続」の下の「接続」をクリックする
- 「署名」をクリックする
- ユーザー名とメールアドレスを登録する(「Bio」という欄は記載しなくても大丈夫です)
- 登録されたメールアドレスに届いたメールから認証をする
これで、代表的なNFTマーケットプレイスであるOpenSea(オープンシー)への登録が完了します。
手順⑤:お目当てのNFTを購入する
OpenSea(オープンシー)への登録が済むと、会員ページに移行し、そこにNFTアートの作品一覧が表示されます。
ただ、作品一覧からでは探しにくいでしょうから、いくつかの条件を指定して、絞り込み検索をしてみましょう。お目当ての作品が出てくるはずです。
あとは、購入手続きで、購入したい作品をクリックして、詳細ページに飛びます。
詳細ページにはETH(イーサリアム)基準の価格が示されていますから、その価格に納得できれば、「Buy now」をクリックして、購入完了です。
NFTの始め方・売り方【出品・販売者】
今度は、NFTアートを出品して販売する場合の手順を確認しましょう。
NFTの販売でも、仮想通貨取引所への登録、ETH(イーサリアム)の入手、ウォレットへの登録などの手順は購入時と同じですから、これらの手続きは「買い方」のコーナーを参照してください。
ここでは、それ以外の手順を解説します。
手順①:販売するデジタルアートを制作する
まず、NFTを販売したければ、出品するためのデジタルアートを制作します。著作権を侵害する作品でなければ、どんなものを制作して出品するのも自由です。
制作にあたっては、多くのクリエイターは「Photoshop」や「Illustrator」などの画像加工・作成ソフトを利用します。
もし自分でデジタルアートを制作するのが難しそうだと感じた場合は、制作会社やクラウドソーシングに外注してもいいですよ。
手順②:販売条件の設定をする
デジタルアートが作成できたら、その詳細を記入していきます。
OpenSea(オープンシー)の公式サイトにアクセスし、右上の「Creat」か真ん中の「作成」をクリックしてください。ここで、作品のアップロードをし、詳細を決めます。
*印だけが必須記入項目ですが、「Description」も記入しておいたほうが作品の内容が伝わりやすくなるので、詳しく記入しておくほうがいいでしょう。
記入が済んだら、「Creat」をクリックしてください。
手順③:マーケットプレイスで作品のアップロードを行う
見出しが前後している部分はありますが、アップロードと必要事項の記入が済んだら、詳しい販売方法を決めます。詳細画面の「売る」をクリックしましょう。
販売方法は3種類あります。「Set Price(固定価格)」「Highest Bid(オークション)」「Bundle(グループ販売)」の3種類で自由に選べます。
販売方法を決めたら、「Post Your Listing」をクリックして、販売手続き完了です。
NFTの販売におすすめなNFTマーケットプレイス
NFT作品の取引で利用するNFTマーケットプレイス。
国内外にいろいろなNFTマーケットプレイスがありますが、その中からNFTの販売におすすめなところと出品におすすめなところを紹介します。
まずは販売におすすめなNFTマーケットプレイスから見てみましょう。
Coincheck NFT(β版)
Coincheck NFT(β版)は、国内仮想通貨取引所のコインチェックが運営しているNFTマーケットプレイスです。
Coincheck (コインチェック)の口座があれば、NFTの出品・販売・購入・保管ができます。
Coincheck NFT(β版)では、出品と購入にかかるガス代が無料(販売手数料は10%)です。
NFTの取引で利用できる暗号資産の種類も多いです。ETH(イーサリアム)を含めてコインチェックで購入できるほとんどの暗号資産に対応し、利用しやすくなっています。
ユーザー同士でNFTと暗号資産の交換取引ができるところも魅力です。取り扱いコンテンツもゲーム・スポーツ・アニメ・エンターテイメント・キャラクター・トレーディングカードと豊富になっています。
Adam by GMO
Adam by GMOはGMOグループの子会社が運営しているNFTマーケットプレイス。
クレジットカードや銀行振込にも対応していて、日本円での購入もできるのが特徴です。
取り扱っているコンテンツも多く、アートや漫画、イラストや動画などを売買できます。
Adam by GMOの販売面でのメリットは二次販売ができること。二次販売により、クリエイターにもしっかりロイヤリティが入ってきます。
また出品者には、漫画家、音楽家、格闘技選手、You Tuberなど著名な人も多いです。
今後は一般人の出品にも力を入れていくとのことで、販売がしやすい環境も整うことでしょう。
NFTの出品におすすめなNFTマーケットプレイス
続いて、NFTの出品におすすめなNFTマーケットプレイスをチェックしてみましょう。
OpenSea(オープンシー)
この記事で何度も取り上げた「OpenSea(オープンシー)」は世界最大級のNFTマーケットプレイスです。2022年の取引高も非常に高く、1月前半だけでも約27億ドル(約3100億円)に達しました。
日本でもお笑いコンビやVRアーティストがNFTをOpenSea(オープンシー)に出品・販売しています。
OpenSea(オープンシー)の取り扱いジャンルも幅広いです。アートはもちろん、ゲーム、トレーディングカードから仮想空間でのデジタル不動産までも扱っています。
また出品数が多いのもOpenSea(オープンシー)の特徴。誰でも出品ができるので、これは出品したいというNFT作品がある人は、ぜひともOpenSea(オープンシー)を利用してみてください。
ただし、出品がしやすいということは、偽物を出品する人もいるということです。それだけに、購入時には注意も必要です。
Foundation(ファウンデーション)
Foundation(ファウンデーション)は珍しく招待制を敷いているNFTマーケットプレイスです。
既存のクリエイターからの招待があって初めて、出品、一次販売できるようになります。そのせいか、出品されている作品は高級なものが多いです。
最低価格も0.1ETH(約4万円)ほどと高く、NFT作品を価値のあるアートと位置付けています。
Foundation(ファウンデーション)に招待してもらう方法ですが、まずアカウントを作成して、MetaMaskと接続することです。
その上で、次のような方法で招待リンクを入手できます。
- 友人や知り合いから譲り受ける
- TwitterでFoundationに招待してほしいとツイートする
- アーティストに直接DMを送る
- 出品代行サービスに依頼する
- Foundation Invites ガチャを引く
Foundation(ファウンデーション)でNFTを出品するためのハードルは高いですが、優れた作品があれば招待リンクを受けられるように努力してみるのもおすすめです。
Foundation(ファウンデーション)で招待を受けられて、作品を出品できるようになれば、その作品は素晴らしいものであることが証明されたともいえます。
そうなれば、高値で売ることも可能で、しっかりと収益も入ってきますよ。